殺人の追憶

昨年から何度も「チョナンカン」で紹介されていたこの映画。日本で公開されたら是非見に行きたいと思ってました。
舞台は1980年代の韓国。ソウル近郊で起こった連続強姦殺人事件「ファソン華城連続殺人事件」を描いた作品。主演は「シュリ」「JSA」のソン・ガンホ
このソン・ガンホ演じる田舎村の刑事、そして彼を取り巻く当時の警察組織は、ものすごーく古い体質だったみたいで・・・容疑者に対する拷問は当たり前、とにかく強引な捜査の連続で、もし現代だったら凄まじい問題になってたんじゃないかという行動が連発します。しかし・・・そんな彼らの行動さえお遊びのように思えてしまうほど、この殺人犯の行動はあまりにも残酷で・・・当初は軽い気持ちで見ていた自分も、物語が進むにつれてどんどん心が重く沈んでいくのを感じました。
キム・サンギョン演じる、ソウルから派遣された腕利きの刑事は、ソン・ガンホとは対照的に理詰めの推理を展開、確実に容疑者に迫っていきます。しかし、ここでも警察組織の問題が発覚・・・確実に犯人の動きを読んでいながら、デモ鎮圧を優先して全く組織的行動が出来ない警察機構。そしてそれを読んでるかの如く、大胆な犯罪行為を繰り返していく犯人・・・犯人を追い続ける内に、いつの間にか精神的に追い詰められていく二人の刑事・・・
見ている間は緊張的な映像の連続で、息着く暇を与えさせない。しかし、見終わった後に、ズッシリと重い心に覆われて、当時の・・・そして現実に起こった事件・関係者・・・そして犯人のことを想像せずにはいられない。ラストシーン・・・あの表情・・・
先日、テレビ番組でこの映画の特集が組まれており、ポン・ジュノ監督が出演していました。彼は34歳だそうで・・・わ、若い・・・
とてつもなく重く、ブルーになること請け合いの映画です。でも、すごく観る価値のある作品だと思いました。もう一度見に行きたいですね。


それはそうと・・・ソン・ガンホのドロップキックは凄かった(w めっちゃ綺麗にキマってましたね(w