谷内外務事務次官発言が外交問題化?

先日軽く触れた谷内外務事務次官の「日本は北朝鮮情報で韓国との共有を躊躇している」との発言がどうやら外交問題になってしまったみたいです。
まずは韓国のメディアがこの問題を報道。

いずれも、従来からの政府の発言「韓米同盟には何も問題は無い」との姿勢に強い疑問を示し、危機意識を訴える内容でした。それだけメディア側も大統領側の米韓同盟軽視の姿勢を問題視していた現れだと思われます。
それに対し、政府側は強硬な批判に出ました。

強硬発言はエスカレートし、遂には日韓首脳会談キャンセルを示唆する発言まで出始めました・・・どっかで聞いたことがあるような(苦笑)
しかし、これらの政府の対応については否定的な発言も見かけられます。

ただ、野党ハンナラ党の副報道官は論評で、「青瓦台(大統領府)と(与党)ウリ党は、(国民の)反日感情を利用して国家安保に関連した重大な外交上の欠点を隠そうとするのではなく、問題があるなら是正するのが道理だ」と政府・与党の対応を非難した。この問題は、外務次官発言を公開したハンナラ党に対し、ウリ党が「日本の外務官僚の妄言を使って政府と大統領を攻撃している」と謝罪を求める騒ぎにも発展しており、次官発言が政争のタネに利用された面もある。

そして最近政府批判姿勢を強めている朝鮮日報が以下の記事を。

谷内次官が問題の発言をしたのは、今月11日朝のことだった。
その直後、駐日韓国大使館から関連内容の報告を受けた外交部は、駐韓日本公使を呼び、抗議の意を伝えた。駐日韓国大使館も遺憾を表明した。それで終わりだった。
ところが、2週が過ぎた24日、いくつかの朝刊新聞によって谷内次官の発言が報道された。
引き続き、25日夜テレビニュースでこの問題が大々的に報道されたのに続き、26日には他の朝刊新聞もこの問題を報じた。
すると、状況は完全に変わった。大統領府が激怒し、日本に対し「身の程知らず」「相応の措置を取れ」と求めた。
韓日首脳会談のキャンセルまで取り上げられる状況に一変した。24日に「すでに11日に遺憾を表明している」という報道参考資料を出した外交部も26日再び対応に乗り出した。
新聞に報道されなければ、重大な問題も非公開でうやむやにし、新聞に報道されれば、同じ問題にも後になって怒る有り様だ。
こうした経緯から、問題の本質より、メディアに報道されたかどうかによって重大な政策が左右されているという指摘が出ている。

日本ではなぜか「沈静化していた日韓関係がまた悪化の兆し」みたいな論調で報道されてたりするのですが(苦笑)、朝鮮日報をはじめとした各韓国メディアの方がよりこの問題を深刻に捉えているように感じられます。当然この問題は対北朝鮮安全保障問題に深く関わってくる話であり、その最大の被害を被るのは韓国と日本です。大統領側の極端な対応により、逆に疑いは深まったように感じられます。個人的には、たとえ事務次官の発言が無かったとしても、最近の在韓米軍に関する大統領の発言や、対北朝鮮軍事作戦計画に対する政府の強硬な反対姿勢等を見ていれば、誰でも疑って当然のことだと思うのですが。
・・・これ書いてたら、ちょうど特ダネがこの問題を放送していて、小倉が米韓同盟の現状についての無知っぷりを曝け出してました・・・(苦笑)