中国がパンダ贈呈 台湾に受け入れ“圧力”(産経)

台北=河崎真澄】中国によるジャイアント・パンダ贈呈の意向表明に台湾では困惑が広がっている。

 中央通信によると、行政院(内閣)スポークスマンは一日、パンダ飼育や検疫などの問題で、「中台の当局者による協議が必要だ」と述べ、拒絶でも歓迎でもない“あいまい”な姿勢を示した。「中国側には政治的意図が満ちあふれている」とも話し、対中警戒感もあらわにした。

 台湾当局がパンダの受け入れを警戒するのは、中国が台湾へのパンダ贈呈は「国内問題」で、国際条約の範囲外と考えている点にある。希少動植物の国際取引を規制するワシントン条約で、ジャイアント・パンダは規制レベルが最も高い動物。陳水扁総統も、「国際条約に違反できない」などと発言し、中国からのパンダ贈呈は「国際取引」との立場を強調している。

 中国の意向通りにパンダを受け入れれば、台湾が「一つの中国」原則を認めた、と政治的に受け止められかねない。

 今回のパンダ贈呈が最大野党、中国国民党の連戦主席の訪中に対する土産である点も、陳政権にとっては悩ましい。受け入れ後に台湾住民のパンダ人気に火がつけば、野党勢力に追い風となる可能性もあり、内政面で圧力となる。

 一方、陳政権が政治問題だけを盾にパンダ受け入れを拒否すれば、一般の台湾住民から批判が高まる恐れもある。

中国から台湾へのパンダ贈呈の話は以前から聞いてて、「アメと鞭の政策とは言うけど、それにしても気が抜けたアメだなぁ」と思っていたのですが・・・中国側にこんな思惑があったとは・・・やはり中国共産党の外交はしたたかで侮れない。日本の親中政治家達が利権に釣られて悉く中国側に取り込まれたのも、結局はこのしたたかな外交戦略にやられてしまったんでしょうね。日本の経済界でも、そのうち台湾の許文龍のように中国に屈服させられる人間が続出してくるかも。
台湾への中国共産党の外交戦略を見ていれば、中国が如何に外交上手で奇麗事が通用しない相手なのか、露骨に見えてきますね。