僕と彼女と彼女の生きる道 最終話

最後は意外とアッサリ終わった印象。あれほど徹朗を拒絶していた可奈子が、凛を引き取った途端に態度を変えたのにはちょっと違和感を感じました・・・が、正直、もうこれ以上父親と母親の争いを見たくなかったので、これで良かったのかな? 結局、この心の変化が「可奈子の生きる道」でもあったわけだし。可奈子自身、「娘を捨てる」という過ちを犯すことによって、最も大切なことに気付いた人でもあったわけだし。
「生きる道」がテーマということで、主要人物以外の各登場人物にも、それぞれの「生きる道」が提示されていましたね。どうやらくっつくっぽいゆらの友達2人組、教師としての道に目覚めた小学校の先生。凛の転校前の音楽発表会は、以前も似たようなシチュエーションがありましたが、そのときとは先生の言葉が随分違っていたのが印象的でした。
東幹久は、結局愚痴をこぼしながらも会社の中で生きていく道を選択。徹朗に向かって「そんなに嫌いじゃないんだ、出世争いとか」と話してました。大事なのは、何も考えずにただ会社人間になるんじゃなくって、自分なりに考えた上で選択するかどうか、選択した道を頑張れるかどうか・・・そんなことを考えさせられる彼の言葉でした。エンディングでは、彼は井上部長の姿を思い出し、そして彼に「わざとかけている」と指摘されていた、眼鏡を外します。
徹朗の父義朗。最終話にして・・・スーツを脱いでいました。徹朗の選択した道をただ見守り、そして孫と触れ合ったことを「楽しい」と感じ・・・そして新たな職場で新たな人生を始める。以前、ゆらが徹朗に向かって言ったセリフの中で「(大事なことに)気付けたんだからいいじゃないですか」って言葉があったけど、それはこの義朗にも当てはまるような気がしました。いつ気付くかよりも、気付くかどうかが大切なんだって・・・ことかな?
そして「僕」と「彼女」と「彼女」。徹朗の生きる道は、この2人の「彼女」の笑う姿を見ることでした。そして、ゆらが探していた「大切なもの」も、ここにありました。徹朗と可奈子、そしてゆらにとっての「大切な人」である凛は、普通の家庭とは違うものの沢山の愛を受けて育ち・・・そして彼女の初恋話で物語は終わります。
敢えて過剰にドラマティックにならなかったのが、最後までこのドラマらしかったです。いやー、いいドラマでした。第一話を見たときには、こんなほのぼのしたラストになるなんて、絶対に予想できませんでした(w
第一話で、凛を振り向こうともせずに出社していく徹朗を必死に追いかける凛って映像がありましたが・・・物語が進むにつれて、徹朗が凛のことを気にするようになったり、一緒に歩くようになったり、凛が怒って徹朗を置いてけぼりにするようになったり・・・そして最終話では、凛と手を繋いで飛び跳ねながら歩いてました。このシーンを見るだけで、なんか凄く楽しかった・・・そんなシーンが多いドラマでした。