松浦亜弥コンサートツアー2004秋 〜松クリスタル 代々木スペシャル〜 at 国立代々木競技場第一体育館

今年の春以来の松浦コンに参加してきました。代々木はアリーナ・1階席はほぼ満席、2階席は6割くらいの入りだったでしょうか? 果たして席が埋まるかどうかちょっと心配でしたが、問題ない集客数だったと思います。
自分は2階席南側で観戦。一つ前の列は年配のおばあちゃんを含めた家族連れがいたり、OL風女性組がいたり、一般的なお客さんがかなり見受けられました。・・・かと思えば後ろの空席スペースには逆ドリしてきたと思われるキモヲタ集団が占拠してわめき散らし、ヲタ芸しまくり、奇声を発していました。一般のお客さん達は、彼らに酷く怯えているようでした。そりゃあ、普通の人から見たら完全に逝っちゃってる集団にしか見えませんでしたから、無理もないでしょう。今回初めてあややコンを見に行った人も多かったんじゃないかと思うんですけど・・・彼らのせいであまりいい思い出にならなかったのではないかと思うと、ちょっと残念・・・
以後ネタバレです。
ステージは前方に普通のステージ。アリーナ後方にもステージが設けられていて、左右端に花道が作られ、アリーナ席をグルリと囲むような形になっていました。バックステージには中心部に向かう花道も設けられていました。実はこの花道には仕掛けがあったのですが、それはまた後ほど・・・

オープニング
ドナ・サマーの「Hot Stuff」(と2chで知りました)が流れます。オープニングに洋楽を流すのは後藤真希のコンサートと全く同じ演出です。ハロプロヲタの間では広く知られてますが、今回の松浦亜弥のコンサートスタッフは、元後藤真希のツアーを担当していたスタッフなんだそうです。アリーナにいる客は一斉に立ち上がって「オイ、オイ」という掛け声を上げ始めました・・・が、2階席の一般客の皆さんは動かず。個人的には・・・ここで掛け声を上げるのは、それこそ「ごまコンのパクリ」であって、あんまし褒められた行為じゃない気がしました。なんというか・・・ヲタとしてのプライドとかないんかなぁって・・・まぁ最近はあややコンもごまコンも客層の違いってあまり無いのかもしれませんが。
YOUR SONG
最初から厳し目の感想ですみません。一応今のうち言っとくと、個人的には今回のライブはかなり楽しめたので、その前提で読んで貰えたら・・・このままだと、ここらへんで「アンチの感想か」とか思われそうな気がして怖い(汗)
とまぁ前書きした上で言いますが・・・オープニングからの流れがあまりに悪い。洋楽流してヲタが「オイ!オイ!」と掛け声出して、そして本人登場!・・・というシチュエーションの中で始まるのが、このスローテンポの楽曲ですから。ライブとしての流れがグチャグチャです。ハッキリ言って、このオープニングは、後藤真希のライブ演出をそのままパクって、客もごまコンのノリをただ模倣しただけであり、それが最悪の結果になったように感じられました。演出スタッフもヲタも、もうちょっと考えられなかったのでしょうか? これはあくまで松浦亜弥のライブなんだし、オープニングは1曲目に向けて本人と客の気持ちを最高点に引き上げる為の大事なポイントである筈。いくらなんでも、こんな無茶苦茶な繋ぎはないでしょう。「YOUR SONG」に繋げるんだったら、もうちょっと違った選曲が出来た筈だし、客の方も違った気持ちの高め方があった筈。なんだかなぁ・・・
まぁ不満点はこれくらいで。あややはドレスアップした衣装・・・だった気がします。2階席だし、この時点ではディスプレイもついてなかったので、彼女の表情は確認できませんでした。歌声は非常にしっかりしてて、調子は良さそうに感じられました。この曲は、テレビで聴いた時はインパクトが弱く感じられたんですけど、ライブで聞くと声の響きが心地良かったり、後半の盛り上がりの部分が聞いてる側にもグッと迫ってくるような歌声に感じられたり・・・かなりイイ感じだったと思います。
恋してごめんね〜DO YOU LOVE ME
この2曲の繋ぎは非常に気に入りました。個人的には、オープニングの不味さをここで帳消しにしてくれたって感じです。普通なら有名なシングル曲を連発して客を掴みに行くような部分なんでしょうけど、敢えてアルバム曲とカップリング曲から、しかも従来のあややのイメージではなく「×3」に代表されるような新しいボーカルスタイルの曲を続けて持ってきたのが、非常に好印象でした。マイナーな楽曲を間髪入れずに聞かせるスタイルは、2002年の「ファーストデート」の前半を思い起こさせられました。まずは「彼女の歌を聴かせる」ことによって客を掴みに来たのかな? こういう掴みならめっちゃウェルカムです(笑)バックダンサーが4人ついて、5人でのダンスも披露。難しいことやってるわけじゃないけど、なんというか「キビキビとした振り」で、スピード感もあって良かったです。
THE LAST NIGHT
昨年の秋ツアーで何度も何度も聞いた曲。それだけに、歌い出しを聞いただけで彼女のボーカルが著しく変化したのがわかりました。昨年に比べて、声量と音程の安定感が激しく損なわれ、その代わりに歌い方・・・特に歌詞内容に合わせた強弱のつけ方とか、アクセントのつけ方とか・・・そういう部分が、以前とは全く別人が歌っていると思えるくらい変わっていました。以前の彼女は、重い内容の曲であればあるほどアクセント無く真直ぐに歌う傾向があったような気がするのですが(初めて唇を重ねた夜とか)、今の彼女だったら、重い歌を「より重く」歌うんじゃないかって気がします。それは・・・「昔のように歌えなくなった」代わりとしての変化なのか、歌唱法そのものの純粋な進化なのか・・・正直よくわからないのですが・・・今はただ、昔とは随分変わった彼女のこのバラード曲を神経を尖らせながら聞いてました。
終盤、大きく溜めて無音部分が続くシーンがあるのですが・・・後ろのヲタ芸集団や、他にもいろんな席から心無い叫び声が響いて、雰囲気を思いっきりぶち壊していました。昔のあややコンなら、こういうときにはしっかり静かにしていたと思うんですけど・・・客のレベルが随分下がってしまった気がします。こういうバラード曲で、ほんの数秒ですら黙ってられない客が今の松浦コンの客層なんでしょうか。残念です。
MC
なんというか・・・お手の物って感じでした(笑)MCに関しては、他のいろんなアーティストと比べてもトップレベルじゃないかと思ってるので、自分が言うことは何もありません。もう好きにやってください(笑)ファンの方のレポに詳しく書かれると思うので、内容は省略。
Yeah! めっちゃホリディ〜トロピカ〜ル恋して〜る
ここで持ってきましたか。前半のたたみかける展開からラスナイ、そしてこの定番曲2曲・・・いい流れですね。勿論身体は勝手に動きます(笑)自分は完コピとかやらないんで、有名な振りパートだけ軽く真似するって感じなんですけど、それでも凄く楽しいのはあややコンならではだと思います。こういう部分はいつまでもライブから無くさないでいて欲しいですね。
渡良瀬橋
森高バージョンはそれほど好きってわけでもないんですが・・・やはり森高千里の個性が強い曲だなって気がします。カバーする側は少し損かなって気がしました。良かったんですけど・・・やっぱどうしても元を知ってるカバー曲は、オリジナルと比べてしまいますね。まぁ今回は初めて聞いたんで、印象はまたこれから変わってくるんじゃないかとも思ってます。
絶対解ける問題 X=♥
本人は退場してビデオが流れました。結構作りこんであってPVみたいな映像でした。今までのビデオ内容に比べたら格段に良かったと思います。ホールツアーでは後半はライブで歌ってたそうですけど、代々木では全部ビデオカラオケでした。
The 美学
ここからメドレー。バックステージにあやや登場。スピーカーはフロントにしかついてなかったみたいで、ステージのバックから声が聞こえてくるという、ちょっと変な構成になってました。個人的には・・・「まだやるのかこの曲」って思っちゃいました(苦笑)
桃色片想い
この曲もメドレーなんですね。ファーストツアーからやり続けてる曲だし、最大のヒット曲とはいえやはりマンネリ感もあったので、この曲がメドレーというのは正解かなという気がしました。サビでの指差しは、頑張るより適当にやった方が楽しいというのを初めて実感。
100回のKISS
ここであややが中央花道に入り・・・そしてその花道がググッって上に上がり始めました。ずっと花道だと思ってたそれは、実はクレーンでした。まさかハロプロでクレーンを見れるとは! ずっとヲタ芸やってた後ろの迷惑集団が、クレーンが動き出した途端にいきなりガッツキ始めたのにはちょっと笑っちゃいました。メドレーの為にあっという間に終わってしまったのがちょっと残念でした・・・が、この曲やってくれただけでも嬉しかったですね。
LOVE涙色
オープニングはあのアコースティックバージョン。もしかしてフルでこのバージョンで聞けるのか!?・・・と期待したのですが、出だしだけで、且つメドレー短縮バージョンでした。ちょっと残念。でも、それにしてもバックステージ利用といいクレーンといい、えらく派手なメドレーでしたね。
ドッキドキ! LOVEメール
事前に聞いてた話だとこの曲やらないって聞いてたのでビックリ。しかしまぁ、凄く豪華なメドレーだ・・・
初恋
冷静に考えると、この豪華なメドレー曲内容に対抗できるような(というか、同じ匂いを感じる)最近のあややの楽曲って、この曲以外にあまり思いつきません。昔を懐かしんだところでこの曲を聞くという流れが凄く良かったです。オープニング以外のここまでの流れは凄く気に入りました。
ビデオ
松浦亜弥への質問インタビュー。ファンなら楽しめるだろうし、一般の人には自己紹介代わりになるだろうし、いいアイデアじゃないかって思いました。
奇跡の香りダンス〜ね〜え?
後半戦は「新し目の定番曲」が続きます。前半の構成は非常に気に入ってたんですけど・・・ここからは少々「マンネリ感」を感じてしまいました。過去のツアーとの違いを出す為に古い定番曲をメドレーに収めたんでしょうけど、その代わりになるのがまた定番曲(しかもレベルが昔より落ちる)となると、あまり変えた意味が無いというか・・・少なくとも、アレンジ、ステージング、ボーカル・・・何か一つでもいいから変化にチャレンジして欲しかったです。
「ね〜え?」では、ファンからお決まりの「あややが好きだかーらよー」という掛け声が上がると、今までのあややとは違って、歌は普通に歌って、その代わりに「ありがとう」みたいなジェスチャーをしてました。もうずっと前から定番になってたのに、なんでこういう反応をしたのかな? いや新鮮で良かったんですけど。そういや、トロ恋のときにも「みんなのことが大好きだよ!」と言わず、オリジナルの歌詞どおりに歌ってたし・・・最近あややコンに行ってなかったので知らなかっただけなのかもしれないけど、昔からの決まり事はやめたんでしょうか? そういう演出の方針なのかな? それはそれでいいんじゃないかって気がしました。
風信子
後半戦でいちばん良かったのはこの曲かな? どうも・・・今回のライブの流れだと、中期以降のあややのシングル曲って、なんか浮いちゃう気がするんですよね。この曲のように地味だけどしっとりしたボーカルを聞くと、そんな浮いた感じが無くて、無性に落ち着いて聞いていられました。
I know
今までなら、あややコン最大の盛り上がり場所がこの曲だったんですけど・・・どうも今回は、この曲がツアーの色に合ってない気がしました。大好きな曲だしやってくれて嬉しかったんですけど、何かちょっと引っかかるというか・・・上手く説明できなくてすみません。
GOOD BYE 夏男
これが本編ラストかよ!と思ったのですが・・・ダンスがかなり頑張ってて、見応えある内容でした。ちょっと娘。の「恋のダンスサイト」を思い出すような振りもあったり、5人で揃ってダンスする部分もなかなか奇麗で・・・そういや、あややコンで「バックダンサーと合わせて踊る」ってなかなか無かった気がするんで、そういう意味でも新鮮でした。「GOOD BYE BOY」のパートでマイクを客に向けて歌わせてましたが、「もっと声出して!」みたいな口調で、完全に命令形だったのがひじょーに面白かったです(笑)ロックオデッセイで静かな客を煽りまくって歌わせようとしたレニー・クラビッツの姿と被りました(笑)
アンコール
死亡遊戯ブルース・リーみたいな衣装であやや登場。一体何をするのかと思っていたら・・・「つっぷり」でした(汗) これ、CMで流れたりするんでしょうか? あまりに突然だったので、自分を含め皆呆然としていました(笑)
シャイニングデイ
花道をグルリと回りながら歌います。ここでも客席にマイクを向けて「もっと声出して!」と盛んに命令口調で叫んでました(笑)・・・いや、面白いからいいんですけど(笑)一体誰の影響なんだろう??・・・
MC
この曲で終わりか・・・と思いきや「このまま帰りたくない」という一言。で、MCが始まったんですけど・・・なんか様子がおかしい。「これからも、ずっと歌を歌っていきたい」そして「今ここであまり口に出したくはないんですけど」「自分を信じて、みんなを信じてやっていきたい」みたいなことを話してました。何と言うか・・・何か言いたいことがあったんだけど、言わなかったような・・・そんな印象。そして、「自分の今の気持ち」ということで・・・
可能性の道
いや、あんなこと直前に言われたもんだから・・・歌詞を思いっきり気にしながら、なんか今までとは全く違う心境で聞いてしまいました。「どんなに説明したって無論、歪むこともある」「信じて歩こう、そうここまで来た自分の道を」「好きなことしよう、ゆっくり準備を済ませて」「信じて歩こう、そう自分の道、自分で探して」「好きな道行こう、まだ見ぬ可能性の道」・・・どれさ? どれを言いたかったの? ・・・それとも全部か?・・・最後の最後に投げられたクエスチョンに頭の中が「???」だらけになりながら、会場を後にしました・・・

・・・さて、とりあえず最後に投げられたバクダンは置いといて・・・
初めてのアリーナコンサートに対する意気込みが非常に感じられ、そして一見さんも大いに意識して、どう「全員に楽しんで帰ってもらえるか」を熟考されたライブだと感じられました。大胆に考えられたステージ構成、バックステージ・花道・そしてクレーンへの挑戦。今まで長い間、代々木でも横アリでもSSAでもお決まりの演出しかしてこなかったハロプロの歴史の中で、春の娘。コンのセンターステージ挑戦に続く非常に大きな一歩だったと思えるし、そしてその挑戦は大成功だったと思います。ステージは全く見えず、ヲタ芸して暴れるような人ぐらいしか楽しめなかったアリーナ最後方席が、バックステージの導入だけで最前席に生まれ変わる。本当に当たり前の単純なことでジャニーズ等は昔から当たり前のように導入していることですけど、ようやくそういう努力をハロプロが考えるようになったというのは、本当に意義のある一歩だと思えました。大会場でのライブに成功すれば、今の全国ドサ周りツアースタイルとは違った、新たなライブ企画への可能性だって開けるわけですし。別に地方コンが駄目だとは言いませんが、今まではあまりにも同じ内容のライブを何回も何回もやりすぎた。ハロプロだから仕方ないって言い訳は絶対に考えたくないし、だからこそこのアリーナクラスのライブに対する挑戦は非常に嬉しく、最大限に支持したいです。
ただ・・・残念な部分も沢山ありました。一つは、このライブ自体がアリーナクラスを前提にした演出ではなく、あくまでも現在の松浦亜弥のホールツアーを骨組みにしたものであったこと。それが故に、せっかく代々木の為に用意したバックステージや花道やクレーンも、利用する機会が一部(メドレーやアンコール等)に限られてしまったということ。そしてやはり・・・ホールツアーを前提にする最大の代償として、やはり今回もカラオケライブであったということ。松浦亜弥という歌手が生演奏でこそその真価を発揮するということは、先日のNHK夢・音楽館で既に実証されており、今回の代々木スペシャルでは、どうしてもあの番組を越えて欲しかった。やはり・・・カラオケになった時点で、いくら頑張っても、ソロ歌手である限り「前とほぼ同じステージ内容」になってしまう。中盤以降の定番曲連発のときに強く感じたマンネリ感は、やはりこのカラオケライブから来た印象だとしか思えませんでした。もし生バンドであったなら、たとえ同じアレンジで同じセットリストであったとしても、一回一回全く印象が異なることだってあるというのに・・・カラオケライブであり続ける限り、ハロプロのソロ歌手のライブ演出はマンネリという限界から逃れられないと感じています。そして、今回の代々木もその例外ではありませんでした。
代々木クラスのアリーナ会場でのライブを成功させるということが、こういったマンネリからの脱却に繋がって欲しいと思います。大会場でのライブが軌道に乗れば、少ない公演数で収益を上げることが出来るし、数が減ればその分金をかけられる。別に演出過多のライブになって欲しいわけじゃなくて・・・ライブとして当たり前のこと、そして松浦亜弥という歌手が歌手として歌うに相応しい最低限の形というものを・・・いつか実現して欲しいと強く思いました。
あと、最後に細かい話ですが・・・演出スタッフが、ちょっと自己主張しすぎてる気がします。ごまコンで好評だった演出を取り入れるのは別にいいんですけど、あくまで別人のライブなんだから、ライブ全体の流れを無視して、好評だったからという理由だけでオープニングやエンディングで全く同じ演出をやったりするのは如何なものかという気がしました。それが全体的な流れに上手くハマっていさえすれば別に何の問題もないんですけど、明らかにズレてるように感じられたし、ハッキリいって邪魔な演出でした。全体的な流れは好ましかっただけに、細かい部分で変な演出が目に付いたのが逆に目立って感じられてしまいました。


まぁ何と言うか、すごくいろんな事を思ったライブだったんですけど・・・最後の発言で半分以上吹っ飛んでしまいました(汗)いいライブだったんですけど、なんか凄く妙な気分です。