「一太郎」判決の衝撃

UIはあんましやらないけど、一応システム開発の仕事をしてる人間として他人事ではない話でした。少しでもPCの操作を知ってる人なら誰でも見たことがあるであろう「ポップヒント」機能に関する特許を松下が持っていて、それをネタにジャストシステムにライセンス契約を迫ったことがキッカケで始まった裁判・・・らしい。Wordにもそのものズバリの機能があるし、Windows本体にも同機能はあり(そもそもWindowsAPIが本機能を提供している)、松下が特許申請する前からMACでは今回の裁判で争点となったような機能はあった・・・等など、まぁ裁判や特許自体の穴を挙げていったらキリがない・・・みたいなのですが、それでも一度特許を取ってさえしまえば、取得側の行動次第でどんな特許ゴロ的行動も法的に認められてしまう・・・一番の問題点はここだと思います。過去にもUNISYSのGIF特許問題とか、最近騒がれたSCOのLinuxに関する一連の特許訴訟とか、日本では数々の訳わからん特許を取得して乱用して思いっきり評判を下げたコナミとか・・・今や、どう考えても企業の特許戦略はソフトウェア業界にとってメリットよりもデメリットの方が大きすぎる状況です。元々、開発者側の権利を守る為の筈の特許が、暴力的な搾取に利用されているというが現状・・・
そんな状況を打破する為の動きも当然ながら起こっていて、世界有数の特許を持つIBMオープンソース団体に特許を寄贈したニュース等はその典型的なパターンでしょうね。先に数多くの特許を取得しておいて、特許ゴロに対しては特許を武器にして逆提訴等で対抗する・・・なんだか「目には目を」的な戦略ですが、今のところ最も有効なパターンはこれくらいしか見当たりませんし・・・先日こういうニュースも報道されてましたけど、オープンソース団体の動きも気になるところではありますが。
・・・で、今回の松下は、本来IBMのように特許ゴロからソフトウェア開発業界を守るべき立場にいる大企業が、こともあろうか自ら特許ゴロになってしまった・・・という、情けないこと極まりない事例になってしまいました。あまりにも世界の流れを見てないというか・・・第二のUNISYSにでもなりたいのだろうか? 一日にして、日本を代表する有名企業から「日本の恥」へと堕ちてしまった気がします。
ところで、自分はWindows3.1時代以来一太郎は使ってなかったんですけど、久々に色々と調べてみたら、ATOKってかなり進化してるっぽいですね。昔から日本語変換処理には定評がありましたが、年々鍛えられて今やかなり頭良くなってるらしい。ここ数年はWindows標準のMS-IMEですっかり馴染んでしまっていた自分ですが、ジャストシステムには是非がんばって欲しいので、ATOKのニューバージョンでも今度買ってみようかなと思います。