中国利権の真相

日中平和友好条約締結後の媚中外交、江沢民以降の反日政策のキッカケとなった中曽根−胡耀邦の関係、そして様々な日本企業の対中ビジネスの実態・・・かなり濃い内容で読み応えありました。日中外交についての批判的論調については、橋本派と外務省チャイナスクールの腐敗ぶりを糾弾した内容が普段は多く目に留まりますが、この本はそれだけでなく、戦後日本企業が中国に対してどのようなビジネスを行ってきたかについて非常に詳しく記載されてあったのが印象的でした。端的に言うと、独裁体制の中国では政治的にも経済的にも人脈を重視した戦略を取る必要があり、それが結果として癒着となり腐敗に繋がっていった・・・媚中で有名な朝日等のマスコミも、チャイナスクールも、伊藤忠を初めとした日本企業も、結局は同じ構造の中で自らを腐らせていったということか。
天安門事件で中国国民が蜂起したそもそもの動機の中に共産党の腐敗に対する激しい怒りがあり、その腐敗に日本企業が一枚噛んでいたという話は衝撃でした。結局、今の今になって反日感情として日本に向けられている中国のあの異常な状況は、日本の戦後の官民一体となった対中戦略によって生み出されたものだと言っても過言ではないとさえ、この本を読んだ後では思えてきました。何というか・・・日本人として情けない。