坂の上の雲

新装された文庫本8巻、出勤中と帰宅中に読み続けてようやく読了。日露戦争って日本史の授業ではほんの少ししか学ばなかったのですが、こんなにも複雑で、そして悲惨な内容だとは知りませんでした。近年批判されることが多い「司馬史観」の代表作ともいえるこの作品ですが、自分は日清・日露戦争時代の日本と太平洋戦争の日本は、断絶しているのではなくて密接に結びついてるのではないか・・・と、この本を読んで逆に感じました。日本では幕末・明治維新の頃については様々な情報を沢山得ることが出来ますが、あの頃日本全体で熱く動いた思想や情熱がどのように進み続け、そしてどういう結末を見たのか・・・それを学ぶには明治以降の近代史を学ぶのは欠かせないんだなと今更ながら気付きました。「司馬史観」という眼でフィルターをかけるのではなく、本の題材となっている時代にまずは注目し、その時々の人々の行動や思想に触れることが、最終的にその後の時代に至った人々の想いを知る手がかりになるのではないか・・・そんな気がします。

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)