衆院選:自民圧勝、与党327議席確保 民主伸びず惨敗

http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050912k0000m010229000c.html

第44回衆院選は11日、投票が行われ、即日開票の結果、自民党が首都圏など都市部の小選挙区で地滑り的勝利を収め、単独で絶対安定多数(269議席)を上回る296議席を獲得した。公明党の31議席を加えた与党は327議席で、衆院の3分の2を超す空前の大勝となった。これで小泉純一郎首相の続投が決まり、特別国会に再提出される郵政民営化法案は成立が確実となった。民主党は公示前勢力を64議席下回る113議席と惨敗を喫し、岡田克也代表は辞任を表明した。

今回の選挙については、中途半端にならず勝者が明確に決まったのは良かったと思います。過去の小泉改革の内容を見てみると、抵抗勢力の圧力によって骨抜きにされたものが多く、それこそが全会一致を原則とする現在の政治手法の限界を示していたのではないのでしょうか? だからこそ、郵政という一問題だけに限った話とはいえ、首相自らが先頭に立って戦う姿勢が国民から評価されたのではないでしょうか?
ただ・・・小泉首相はインタビューで「過去四年間の実績」を盛んに強調していましたが、その実績に対して必ずしも今回の自民支持者が全面的に認めている訳ではないと思います。逆に、今までが中途半端だと思ってきたからこそ、過去の選挙では自民には入れず、そして今回もう一度小泉を支持する気になったのではないでしょうか? 自民党はこの圧勝を持って、確固たる改革への態度を取って欲しい。そうでなければ、もし今回の勝利に驕るような態度を少しでも取るようなことがあれば・・・私を含む今回の支持者は、次の選挙で一斉に自民党に対して牙を剥くことになると思います。
そして民主党民主党の敗北は小泉にしてやられたとかいう単純な話ではなく・・・ここ数年の野党としての「姿勢」が全ての原因ではなかったかと思います。特に郵政民営化に対して、審議拒否から始まり、対案提出も行わず、全党一致でひたすら「反対」に走った・・・この責任は重い。私たちは確かに民主党に対して「政権交代能力を持つ政党」としての役割を期待してきました。しかし、あくまでしっかりとした政党を望んでいたのであって、何でも政府に反対しかしない「大きな社会党」を望んでいたのではありません。また、肝心のマニフェスト等についても、あまりに旧社会党の思想を受け継ぎすぎではなかったか? 外交面において岡田党首は盛んに小泉外交を批判していましたが、国民の中には逆に小泉を「中途半端で弱腰」だと批判する人達さえいます。岡田民主党の外交方針は、あまりに現状の国民認識から離れすぎてはいなかったでしょうか? 野党としての政治姿勢、そして肝心のマニフェスト・・・全てにおいて、今の民主党に対して国民は「NO」を突きつけた。それが今回の選挙の結果ではなかったのでしょうか。
しかし・・・今回惨敗を喫したからこそ、今こそ民主党には解党的出直しを図って欲しい。やはり国民は二大政党制を待ち望んでいるのは事実だと思います。真に政権交代能力を持つ政党になる為に、党内論議を深め、ブレの無い政策を掲げ、政策で合意できないなら党の分裂も辞さない覚悟で望まなければ・・・そうでなければ、国民が再び民主党に期待することは無いでしょう。今こそ、民主党の皆さんには頑張ってもらって、まずは党を変えて欲しい。
もう一点・・・今回の選挙結果が示しているのは、既存メディアに対する不信任だと思います。選挙期間中、あらゆるテレビや新聞記事や雑誌記事をチェックしましたが、そのほぼ全てが小泉批判でした。中には週刊文春のように、あからさまに反小泉の姿勢を明確にし、凄まじい反小泉キャンペーンを繰り広げたところもありました。しかし、国民はこのような判断を下した。ようするに・・・誰も既存のメディアの意見には従わなかったということではないでしょうか? 国民の既存メディアに対する不信感の強まりを感じずにはいられません。新聞・テレビ・雑誌等のメディアは、今回の選挙結果をもって「国民が騙されている」との国民侮辱的結論に逃げるのではなく、自分たちに対しても不信任が突きつけられたとの認識を持って、真のメディアになるための出直しを目指すべきではないでしょうか。