涼宮ハルヒの消失

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの消失 (角川スニーカー文庫)

流石にシリーズ最高傑作と言われてるだけあって、かなり面白くて一気に読み終わりました。
憂鬱からの謎が一通り明らかになったわけですが・・・全体的な印象は変わらず。あくまで自分個人の印象ですが・・・やはり自分にとっていちばん普通なのはハルヒでした。ハルヒの「力」とは、自分にとっては、あらゆる人間が持っている「可能性」だったり、時には誰からも隠したい「暗部」だったり・・・何か両極端な人の本質を象徴してるような気がしています。人は誰でも、実は物凄い可能性を持っていて、でも本人は決してそのことがわからない。その「力」は時には周りを振り回したりするけれど、でも、世界にはきっとその全てを受け止めてくれる人がいる・・・ハルヒにとって、それがキョンだった。そしてキョンにとっても、その巨大なやっかいな力を抱えたハルヒは、いつの間にか、いなくてはいけない存在になっていた・・・これが自分の持った印象。
もう一人の主人公の長門についてですが・・・ifの世界にいた長門よりも、自分はやはり元の世界の長門の方が好きかな? ただ、元の世界の長門が望んだ姿があの長門であったわけで。この本の世界的には「バグ」という表現になってしまったけど、これはキョンも言ってたとおり、誰でも持つべき「感情」であって、つまりこれは長門の成長の証でもあった・・・みたいな? でも「感情」とまでわかったキョンが、その感情が「愛情」であったことに気づいてないのはどういうことだろうか? あまりにそっち方面にだけ鈍感すぎねーか?w いや、キョンのことだから、いざとなったら「いやこれは言い訳だな」とか超速解説を語れるところを敢えて語らなかったのかもしれないけど。