真金色に塗っちゃえ! MAKI GOTO CONCERT TOUR 2004 SPRING

ちょっとネタバレします。










結論から言うと、わたし個人としては楽しめませんでした。
以下、言い訳というか、ぐだぐだ並べただけの駄文が続きます。










一年前、自分の中で凍り付いていたダンスアーティスト好きを復活させた、あの激しくダンサブルなステージは既に無く
二年前、モーニングタウンで男装して歌っていたときの、FS3イベントで歌っていたときの、あの真直ぐ会場全体に響き渡るボーカルも既に無く


・・・ただ、そこには、自分を愛してくれるファン達を、心から、迷いなく愛する彼女がいた。


それは、ファンにとっては唯一にして無敵の愛すべき対象であり・・・
でも、私にとっては・・・




今年のツアーは本当に長丁場。それにもかかわらず、彼女のコンディションは安定していました。ですが・・・昨年秋から感じていた、ボーカルの変化・乱れはより一層大きくなり・・・俗に言う「盛り上がり系」の楽曲では、音程を外しながら、大声で叫ぶように歌うシーンを何度か見かけました。。


稲葉とのデュオによる「HEY!真昼の蜃気楼」。2人のダンスがあまり合ってませんでした。この2人のレベルだったら、手足の向き、タイミング、角度、全てを揃えるのが当然だと思ったのですが・・・全く出来ておらず・・・そもそも振りのタイミングすら合っていない。2人がそれぞれ勝手に踊っているという印象。「2人のダンサー」が共演していて、それでこの内容というのは、少々寂しいものを感じました。


「愛ってどんな×××?」は、そもそもリズムが若干スローテンポに変更されていたように感じたのですが・・・ 昨年の春コンから、振りも大幅に変更されてました。個人的には、昨年春に踊っていたときのダンスの方が、数倍カッコよかったと思います。バックダンサーのレベルがちょっと低くて、複数で踊っているメリットがほとんど生まれていませんでした。バックダンサーについては、メロンがバックを務めていた頃の方が、ダンスは未熟でも存在感で勝っていた気がします。
昨年春のツアーで歌っていたこの曲・・・大好きでした。あの凄まじいくらい美しかったステップ、間奏でのソロダンス・・・もう、随分昔のことのように感じてしまいます・・・


「LIKE A GAME」。前情報で、このシーンはバックダンサーと稲葉さんがメインになるってことは知ってました・・・が・・・
ダンサーがあまりに下手すぎでした。ソロダンス・・・あれはちょっと客を舐めすぎでは?・・・
そして、稲葉も・・・最初に見せたソロダンスはまずまずだったものの、その後は・・・「ステップ1」「ステップ2」と称して、何か妙な振りを展開。その振りで観客を煽ってました。いや、ごっちん休憩時間の為の企画コーナーだってことはわかってるんだけど、それにしても、あまりにもダンスが低レベルで・・・そんなコーナーに、あの「LIKE A GAME」を使われたのは少なからずショックでした。


「ペイント イット ゴールド」や「LOVE。BELIEVE IT!」での、ごっちんのパフォーマンスはまずまずだったと思います。特に「ペイント イット ゴールド」を歌うときの彼女の立ち姿勢はとても美しく、身体全身からカッコよさを滲ませていました。・・・がしかし、ダンスに関しては・・・昨年に比べて進化した部分は、特に見当たりませんでした。相変わらず下半身はリズム刻み中心で、ダンス中もあまり動きがない。だから、彼女のダンスにはダイナミックさが欠けており、ダンス全体が「直線的」な動きに限定されてしまっているように見えます。以前は・・・それを補ってあり余るくらい、彼女は高度な「ステップ」に挑戦しており・・・それが凄まじいインパクトとなって、自分を驚かせ、感動させました。昨年の秋コンでは、既にそういったスキル的見せ場は減っていたのですが・・・それでも、緻密に考えられた演出と、それに合わせたごっちんのパフォーマンスが、ライブの内容をグッと引き締めていたと思います。今回は・・・あの時のサプライズや感動に匹敵するような発見は・・・見つけることが出来ませんでした。全体的な流れも、昨年から比べて悪くなった気がします。ライブ中盤でのトークコーナーがやけに長くて・・・昨年のあやや秋コンを少し連想しました。


昨年から何が変わったのか・・・それはもう一目瞭然で・・・「客」が大きく変わりました。昨年の春は、ごっちんのファン・興味本位で参加したハロプロファン・ごっちんに憧れる女の子達と、そんなお子さんを連れた親御さんたち・・・そんな人達が、とにかく彼女のパフォーマンスに注目していました。見に行った多くの人達が彼女のライブを絶賛し、リピーターが生まれ、お約束が生まれ・・・そして、徐々に彼女のライブは独特の雰囲気を纏うようになりました。客は彼女のレパートリー曲を「ハロプロのノリ」で熱狂的に後押しし、彼女もそのノリを全身で受け止め、「ハロプロのノリ」に完全対応したステージパフォーマーへと変貌して行きました。


今のごっちんは「ハロプロパフォーマー」と呼ぶのに相応しい人になったと感じています。それが、彼女が選んだ道であり、そして事実、今の彼女のスタイルは多くのファンに支持され、彼女も心から今の形を楽しみ・喜んでいるように見える。ただ単に・・・自分がその流れに乗れなかっただけの話です。


秋に、また彼女のライブを見に行こうと思います。何も変わってないかもしれないし、自分が望むのとはまた全然違う方向に進んでるかもしれない・・・それでも、やっぱりこれから先も、影ながら見続けていきたい。
彼女が一年前、GO!マッキングゴールドツアーで宣言した「ダンサブルに!」という言葉を・・・今でも鮮明に覚えています。あの言葉が自分にとって全ての始まりだったから・・・やはり自分はいつまでもそこに拘っていきたい。後藤真希が自分に与えた影響は果てしなく大きく・・・大き過ぎたが故に、自分は彼女に過大な期待をしてしまったのかもしれません。でも・・・「過大な」とは思いたくないし、正直今も思っていません。




最後に3つ・・・「長電話」と「気まぐれ」をやってくれたのは本当に嬉しかった。嬉しすぎて・・・「L・O・V・E」の掛け声が客席から発せられた時には、おもいっきりズッコケてしまいました(苦笑) ・・・まぁそれでも、本当に嬉しかった。
涙の星」と「オリビア」での、ごっちんのボーカル。以前のように、会場中に歌声を響き渡らせるような、そんなボーカルではもう無くなってしまった彼女だけど・・・でも、今の、素直でシンプルなボーカルで歌うバラード曲に、純粋に感動しました。彼女はどんどん変わっていってるし、その中で得たものも多ければ、きっと失ったものも多いことでしょう。でも、彼女がどんなに変わっていっても、マイクを握り締めて一心にバラードを歌っているときの横顔は、シンガーとしての顔をしていて・・・とても美しく、そこから発せられる歌声には、新たな力が感じられました。


「世界のホニャララで愛をホニャララ(笑)」。自分も見に行きました。自分が見たときも、エンディングのスタッフロールで、誰一人席を立とうとはしませんでした。平井堅の歌をずっと聞いていました。
「愛っていいね」と、自分も思います。