新たなフルスタックな標準環境を

Javaの世界はあまりにもフレームワークが濫立しすぎて、標準が否定されすぎて訳分からん状態になりすぎた感があります。最近見られる開発者のJava離れもそれが一因のような気がします。確かにJ2EE1.4までのサーバサイドJavaの標準は問題点が多すぎて、実用性の無い仕様(特にEJB)が目につきました。がしかし、Java EE5によってかなりの問題点に対して修正・見直しが行われ、そこそこ使える仕様になってきたと感じます。たしかに、使い慣れた現在の個別フレームワーク環境と比べて、まだ機能が足りなかったり設定がめんどくさかったり細かな部分で劣っていたりするのも事実です。でも、やはり標準が正常進化しない限り、今のような混沌状態を続けていたらこの言語の未来は暗い気がしています。チャレンジングな新仕様に挑戦できるようなJava開発の現場は、そんなに多くない・・・逆にどちらかといえば保守的な現場の方が多いと思うので、だからこそ標準仕様が正常進化していくことが大事だと思うのです。
最近自分がGlassFish + NetBeansの組み合わせに注目しているのは、この組み合わせが新しいJava EEの標準仕様を引っ張る原動力になるのではないかと感じているからです。GlassFishが新しい標準仕様の実行基盤として機能し、NetBeansが新しい開発環境の標準を提供し、両者の組み合わせによってJavaの標準仕様としてフルスタックな開発環境を提供するようになれば、Javaに入門する垣根は今よりもかなり低くなるのではないかと感じています。入門したての初心者が、いきなりEclipseプラグインがどうとか、Webフレームワーク・DIコンテナ・ORマッパーの導入がどうとか・・・やっぱり敷居が高すぎる気がするのです(というか実際高かった。教育が大変でした)。全てをオールインワンで提供し、分かりやすく使いやすく提供する為の環境が必要です。それは、今のTomcatではないしEclipseではない気がします。
Tomcat6は、Servlet2.5/JSP2.1の実行環境を提供するだけで、JSFJSTLも提供しません。最早Servletコンテナだけでは標準仕様を満たすWebアプリ環境とは呼べません。それらの環境も含めて、実際に利用できる標準Web開発環境を提供できているのは、GlassFishの方だと思います。
Eclipseは・・・一時はWTP等の標準プラグインの充実により、オールインワンな開発環境になるのではと期待していた時期もありました。でも、NetBeansが既にオールインワンなJavaEE5対応Webアプリ開発機能を実現しているのに比べ、WTPの機能不足は明らかです。Ver0.7の頃から、どうにかして使いたいと思ってWTPを入れ続けていたのですが、どうにもこうにも使いやすくなりません・・・それでもEclipseには愛着があるので、これからの巻き返しを期待したいところではありますが。
・・・というわけで、個人的には、これから少しずつですが標準に回帰していきたいなと思っています。今まで利用してきた個別フレームワークを、どう標準仕様の中で上手く活用できるか、または現在の標準仕様の中で、どうすればより便利に開発できるようになるか、そういう部分を考えて次の開発案件(といっても、しばらく先の話ですが)に備えていきたいなと考え中です。