大統領の理髪師
実は封切り直後に見に行ってたのですが、東京以外は4月以降の公開ということで感想は控えようかなと思ってました。ただ、ちょっと記憶が遠のいていきそうなので、覚書程度に書いておこうかな・・・と。
「殺人の追憶」に通ずるところが大きい作品だなと感じられました。作品のテイストは全然違うんですが、前者は1980年代の時代背景を描いた作品で、今作は1960〜1970年代の軍事独裁時代を描いた作品。その時代背景を「何気なく描く」ことを最大のテーマとしている作品なのかな・・・と。
この作品内では過剰な時代背景の説明は何も行われず、ただただソン・ガンホ演じる主人公がその時代時代に翻弄される様を滑稽に描いてました。おそらく・・・時代背景を知ってる人ならば、ソン・ガンホが滑稽さを演じれば演じるほど、その背後の「時代」の重さについてズッシリと感じ入るところがあるのではないでしょうか。ただ・・・自分はこの時代について全く「無知」だったので、その重さを感じるのが難しく、ちょっと説明役がほしいなぁと思いながら見てました。そういう意味では、この作品はかなり「国内」を意識した作品なのかもしれません。細かなテイストに関してはかなり満足する作品でした。ただ、少し残酷なシーンを極力明るく描こうとしたところがありまして・・・それが逆に自分にはキツク感じられたところもありました。
うーむ・・・細かな描写が特徴的な作品が故に、細かなところを書いてしまうと完全ネタバレになってしまうし・・・作品自体は難しくないんだけど、表現するのが難しい作品です。