アメリカの鏡・日本

アメリカの鏡・日本 新版

アメリカの鏡・日本 新版

アメリカ人の視点から見た、戦前日本の検証本です。アメリカ人として、日本と戦争になって占領するに至った歴史を、アメリカ人への警鐘として書かれた本でした。興味深かったのは「近代日本を作ったのはアメリカを始めとした欧米列強であり、日本の姿は私たち欧米帝国主義の鏡であった」という主張でした。
日本が愚直に「国際法を守る」ことによって列強の仲間入りを望んだという表現が途中何度も出てきます。結局「国際法」そのものも、当時の強国の都合で形作られた概念だということか。世界の動向をパワーゲームという視点で見ることによって、日本が何に翻弄され、何を望み、また世界が何をやろうとしていたか、見えてくるということだろうか。今月の「諸君!」に、政治学ミアシャイマーによる、国際政治は権力闘争の場であるという冷酷な視点で捉えた「攻撃的現実主義」が紹介されてますが、この本も似た視点から日本・そしてアメリカを捉えているように感じられました。